ドローンが月まで行く時代になりましたが、皆様いかがお過ごしですか?

今回、ふとしたきっかけで、dsPICシリーズに興味を持ち、少しだけ深掘りしてみることにした。
まずdsPICとは何ぞや?

Google先生曰く
dsPICとは,16ビットマイコンにDSP機能を組み込んだマイコンです。 高性能なPICマイコンとしての機能に加え,ディジタル信号処理も高速にこなすことができ,応用範囲は大変広いものです。

また、Yahoo!知恵袋のQ&A

Q.dspic と picの違いってなんですか?
A.PICはマイクロチップ社のマイクロコントローラの総称。
8/16/32ビットのシリーズがある。
dsPICはその中の、16ビットのやつにDSP機能を付加したもの。
高速アナログ処理なんてのがやりやすい。
一般人が使う機械は少ないだろうが、単に速いマイコンとして使うこともできる。
クロックが120MHzだからね。

最近話題のchatGPTにも聞いてみた
Q.dsPIC と PICの違いってなんですか?
A.dsPICとPICは、両方ともMicrochip Technology Inc.が開発したマイクロコントローラですが、いくつかの主要な違いがあります。

最も重要な違いは、dsPICはデジタル信号処理(DSP)に特化した製品である一方、PICは一般的なマイクロコントローラです。つまり、dsPICは高速で高精度な信号処理を行うことができますが、PICはデジタル信号処理には向かない場合があります。

dsPICは、高速なアナログ-デジタル変換、高速な演算、高速な周波数応答、高速なタイマー/カウンター、および高速なデジタル信号処理のために最適化されています。

一方、PICは、低消費電力、汎用入出力ピン、PWM出力、タイマー/カウンター、シリアル通信、アナログ入力/出力、キーボード/ディスプレイインターフェースなどの機能を提供します。

つまり、dsPICは主に高度なデジタル信号処理アプリケーションに使用され、PICは一般的なマイクロコントローラとして幅広く使用されています。

Q.DSPとは何ですか?
A.DSPとは、デジタル信号処理(Digital Signal Processing)の略称です。

デジタル信号処理は、信号処理の一種で、アナログ信号をデジタル信号に変換し、その信号に対して特定の処理を行うことで、信号をより有用な形式に変換する技術です。一般的に、DSPは音声処理、画像処理、通信システム、制御システムなどの分野で広く使用されています。

DSPは、アナログ信号をデジタル信号に変換するアナログ-デジタル変換(ADC)と、デジタル信号をアナログ信号に変換するデジタル-アナログ変換(DAC)のプロセスから始まります。その後、デジタル信号をフィルタリング、フーリエ変換、離散コサイン変換、ウェーブレット変換などの特殊なアルゴリズムを使用して処理することができます。

DSPは、高速かつ正確な処理を行うことができ、特にノイズの多い環境で信号を解析することができるため、広範な応用分野を持っています。最近では、携帯電話、デジタルカメラ、MP3プレーヤー、音声認識システム、自動車制御システムなどの多くのデジタル製品に使用されています。


Microchip本家に日本語版のリファレンスマニュアルがあった。
dsPIC30Fファミリーリファレンスマニュアル
WS500216


定番の後閑哲也氏の著書を購入。2006/8/15の発売は流石だと思う。
電子制御・信号処理のための dsPIC活用ガイドブック



一方、CQ出版社のトランジスタ技術ではdsPICが取り上げられたことが過去2回あって、一つ目は

dsPIC30F2012搭載基盤が付録で、これを利用した特集記事が組まれた。
トランジスタ技術2007年8月号、特集:PICで体験するマイコンの世界

さらに、dsPICトレーニングボードが付録という今から考えると夢のような企画が続いた。
トランジスタ技術2007年9月号、特集:新生PICマイコン・トレーニング

これらの記事を再編したものが後に書籍化されている。
ICマイコン・スタートアップ[dsPIC基板付き]―Cプログラミングで定番マイコンを自在に操る (マイコン活用シリーズ)、2009/7/21発売


興味を引いたのは書籍の紹介欄で著者が質問に回答しているところ。(抜粋)
今までモヤモヤしてたものがなんとなく腑に落ちるところがあった。
Q5.8bit PICマイコン(PIC12, PIC14, PIC16, PIC18シリーズ)と16bit PICマイコンとは何が
  違うのか? 8bit PICマイコンのプログラムをdsPICに簡単に移植できるのか?
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A5.同じPICという名前が付いていても8bit PICと16bit PICはまったく別の製品です.
  32bit PIC(PIC32シリーズ)もまた別の設計の製品です. これらの製品群には互換性は
  ありません. アセンブラ・レベルでのプログラムの移植も不可能です.

  8bit PICマイコンはやや特殊なアーキテクチャと命令セットを有しているために、
  アセンブラ・レベルでマイクロプロセッサの基礎を学ぶ教育用途には向いていません. 
  一方、16bit PICマイコンは現代の組込プロセッサとして標準的な設計と言って良いで
  しょう. 本書ではアセンブラは用いていませんが、dsPICはアセンブラ・プログラミング
  の教材としても最適です. 
  付属基板でdsPIC30シリーズの扱いを学べば、電源電圧3.3VのPIC24シリーズも問題なく
  使えるようになるはずです.



雑誌付録のCPU及びトレーニングキットは現在もマルツパーツ館で販売されている(残り僅か)
dsPICマイコンボード(トラ技2007年8月号付録基板同等品)【MDSPIC2012】

dsPICトレーニングボード(部品実装済)【MDSPIC-BASE】


もう一つの流れがトランジスタ技術2008年4月号~2009年5月で連載された森久直氏による「Cによるマイコン操作術」(全14回)である。
前回の特集記事から僅か半年で「Basics」にカテゴライズされているというから、人は案外簡単に進化してしまうものなのかもしれん。

トランジスタ技術2008年4月号《Cによるマイコン操作術》〈第1回〉、森 久直
サブタイトル:トレーニング・ボードの製作
dsPIC30F5011-30I/PT実装のトレーニングボード製作記事。
「製作記事」というからには機器配置図や実体配線図もあるだろうと期待して中古本を購入したら、回路図しか掲載されていなかった。回路図はパーツキットに付属していたものと同じもの。orz

トランジスタ技術2008年5月号《Cによるマイコン操作術》〈第2回〉、森 久直
サブタイトル:開発ツールの使い方を身につけよう

トランジスタ技術2008年6月号《Cによるマイコン操作術》〈第3回〉、森 久直
サブタイトル:入出力ポートでLEDを点滅させる

トランジスタ技術2008年7月号《Cによるマイコン操作術》〈第4回〉、森 久直
サブタイトル:入出力ポートを使ってLCDに文字を表示してみよう

トランジスタ技術2008年8月号《Cによるマイコン操作術》〈第5回〉、森 久直
サブタイトル:割り込みを使ってLCDとLEDを動かしてみよう

トランジスタ技術2008年9月号《Cによるマイコン操作術》〈第6回〉、森 久直
サブタイトル:タイマを使って時刻を表示してみよう

トランジスタ技術2008年10月号《Cによるマイコン操作術》〈第7回〉、森 久直
サブタイトル:A-Dコンバータを使って温度を測ってみよう

トランジスタ技術2008年11月号《Cによるマイコン操作術》〈第8回〉、森 久直
サブタイトル:UARTを使ってシリアル通信制御をしてみよう

トランジスタ技術2008年12月号《Cによるマイコン操作術》〈第9回〉、森 久直
サブタイトル:アウトプット・コンペアを使ってパルスを出力してみよう

トランジスタ技術2009年1月号《Cによるマイコン操作術》〈第10回〉、森 久直
サブタイトル:インプット・キャプチャを使って入力パルスに応じた制御をしてみよう

トランジスタ技術2009年2月号《Cによるマイコン操作術》〈第11回〉、森 久直
サブタイトル:EEPROMを使ってデータを保存してみよう

トランジスタ技術2009年3月号《Cによるマイコン操作術》〈第12回〉、森 久直
サブタイトル:SPIを利用してSDメモリーカードにアクセスしてみよう

トランジスタ技術2009年4月号《Cによるマイコン操作術》〈第13回〉、森 久直
サブタイトル:SPIとSDメモリーカードを利用したディジタル温度計の製作

トランジスタ技術2009年5月号《Cによるマイコン操作術》〈第14回〉、森 久直
サブタイトル:内部機能を活用した多機能ディジタル温度計の製作

連載記事のタイトルを見る限りでは、現在のデータロガーに搭載されているおおよその機能は網羅しているようだ。(今はこれに加えてIoT,Cloud化が進んでたりする)
こちらも記事を整理・補足して再編したものが書籍化されている。
Cによるマイコン・ペリフェラル操縦法―ハードウェアを意識してdsPIC内蔵周辺回路を使いこなす (エレ基礎シリーズ)


トレーニングキットはこちら。
トランジスタ技術2008年7月号《Cによるマイコン操作術》連動企画 dsPICパーツセット回路図付、秋月電子 K-02406、¥2,100
これを ¥1,000+送料で購入。(ヤフオクに出物があったのでつい。)
製作記事はトランジスタ技術 2008年7月号。。。ではなくて2008年4月号となるので、謎のタイトルではあるものの、dsPIC30F5011-30I/PTがオンボードされたCPU基板を始め、一通りの部品がパックになっている。

次回は制作にかかりたいと思います。