かずいの雑記帳4

趣味でいろいろ実験やってます。 2021年6月21日よりhttpsの利用が可能になりました。 当ブログも設定を変更しましたので、画面の乱れ等ありましたら教えて下さい。

2016年06月

オシロスコープ KENWOOD DCS-7040(その1)

KENWOOD DCS-7040 50MHz
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KENWOODはオシロスコープの世界から撤退してしまっていて、現在はTEXIOが事業を引き継いでいる。
このクラスの後継機はTEXIO DCS-4605 で、定価¥44,900 と、かなりの低価格。(ただし、デジタルオシロ。ちなみにDCS-7040発売当時の価格は23万円とか$2,500だったらしい。)
昔から「旋盤は男のロマン、お城は男の夢」などと言いますが、オシロもここまで低価格化すると、もはや高級テスターと同レベル。ジャンク品を漁るメリットってほとんど無いように思うのだけどね。まぁ、趣味だから。

KENWOOD CS-5130(40MHz)もいまだに使えてるし、特に不満も無かったのだけれど、そろそろ寿命が近い予感がしたのと、今後、程度の良いアナログオシロが入手困難になりそうな気がするので出物を探してた。
尚、IWATSU SS-7610のジャンク品再生は諦めました。(←敗北宣言ヽ(-o-)丿)

例によってネットでマニュアルが手に入るかどうか確認したうえで入札。3000円で落札。
英語版 Service Manual を、ダウンロードでまたもや$5で手に入れた。
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オシロスコープにもいろいろあるが、本機はデジタルストレージというカテゴリになる。

DCS-7040のデータシートによると、OUTLINEとして次のように書かれていた。

With the storage menu and triggering function concentrated to assure safe use by anyone engaged in the production and a clear panel layout showing operations at a glance, the DCS-7000 Series of oscilloscopes are easy-to-use models even for beginners in spite of the many, versatile functions packed in each unit. The maximum sampling rate of 40 MS/s (DCS-7040) enables advanced waveform observations, and an analog function (50 MHz) is also incorporated so that each model can play two roles of digital and analog. Each channel has a 4K-word acquisition memory. The peak detector and overwriting functions are provided in pursuit of a compatibility between the ease of use and the high functionality.
Optional interfaces can also be installed so the waveforms displayed on the CRT can be hard-copied on a plotter or a special printer.

Digital Storage すなわち、アナログで表示したデータをデジタルデータで保存・分析ができる。
アナログ帯域として50MHzが保証され、それをデジタル化してサンプリング。40MS/sで各チャンネル毎に4Kワード分のデータ保存ができるという。
デジタルオシロと違うのは波形表示が基本アナログなので、保証帯域以上の周波数であっても模様として画面に現れるという点だ。
アナログ機器の調整やデジタル機器のノイズ云々の観測をする場合において、旧式のデジタルサンプリングレートがプアなオシロにおいてはこれは結構重要。(無論GHz帯のサンプリングが可能な現在のデジタルオシロではあまり意味がない。アナログとデジタルを即座に切り替えられるので、学習的用途には最適だと思う。)

販売は本体のみということだったので、別途電源ケーブルとプローブを調達する。
もう数年前になるが、CS-5130の電源ケーブルを秋葉原で何店か回って探したのだけど、今はネットで一発で見つかるから超楽ちん。(ケーブルダイレクトさんに感謝。)




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怪しいLED付きロッカースイッチを使ってみた

アマゾンで格安出品されてるSODIAL(R)製のアレです。

SODIAL(R)はUSAのブランドだそうですが、物はどう見ても中国ベンダー製です。
アマゾンのロッカスイッチカテゴリではベストセラー1位でした。
価格については常に変動していますが、私が購入した際は¥190でした。



中国ベンダ製品にありがちな話ですが、まず商品説明に書かれた日本語がよく解りません。
なので、仕様が解らない。
詰まるところ、このスイッチの外形寸法はいくつで、パネルカットは何φですか?奥行きは?
配線側のターミナルは何を用意しておけばよいのでしょう?
また、内部の回路はどうなってて、接点の定格電流はいくらなんでしょう?
外形図と回路図があれば大概のことは解りますし、技術用語は無理しないで英語か中国語でそのまま書いてくれたほうが解りやすいんですが、そのような認識はなさそうです。

さらに、アマゾンのレビューに書かれた日本語の意味がよく解りません。
私の読解力が無いのは認めますが、使われている用語がまちまちなのと、どう見てもそれぞれ異なる製品をレビューしているようにしか見えないというところがあります。
うまく動作しなかったということは解るのですが、原因が製品そのものによるのか、レビュアーのスキルにあるのかがはっきりしません。

そこで、真偽の程を確かめるためにサンプルで1式購入しました。
値段からして、本当に使えたらもうけモンです。(つか、封筒代と送料だけで¥190超えると思うので、本体のほうがオマケみたいなもんです。

とりあえず外形をスケッチしてみました。
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パネルカットはφ20.2でよさそうですが、ストッパとなるカエリが問題です。
通常、ここはバネ状になっていなければならないのですが、肝心の部分がカットされておらず、カエリを縮めることが出来ません。
こういった一手間を惜しむところが如何にもといったところでしょう。
ホットナイフで切れ目を入れておきました。


ターミナルは250型平端子でした。
もうワンサイズ小さいものも入るかも知れませんが、持っていないので試していません。
本体の刻印には”20A12V DC”とあります。
しかし、この構造で本気でこんな電流流すと確実に焼けますから、電流は一桁A以下で使用したほうが良いでしょう。

内部回路についてですが、手元に届いた4個は全てプラスコントロール用の回路構成でした。
マイナスコントロールとして使うのなら、LEDの極性を入れ替える必要があります。
構造は極めて単純なので、「点灯しない」というレビューが散見されるのはLEDの極性をやらかしてしまったものが混入しているからかもしれません。
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とあるレビューに書かれた回路図ではLEDのマイナス側が常時アースに接続されておらず、浮いた状態になっているので、場合によっては暗点灯してしまう場合があるかもしれません。


尚、このタイプのスイッチは写真のようにインジケータを下側にし、インジケータがついていない方を押し込むとONになるというのが一般的なようです。
RSなどで販売されている他メーカーの正規品(?)でも確認できます。
なので、”動作が逆”というのは、ただの思い込みだと思います。
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ところで、アマゾンのレビューで購入先(Dandelion Seeds)を書いたところ、掲載拒否されました。
商品レビューにショップレビューは書いちゃダメだと。いや、明らかに商品レビューだし。
もっとも、中華製のこういった製品は、形が似ているだけで同じ物として販売されるようですので、どこから購入したかという情報は非常に重要だと思うのですけどね。


※データシート、他社製品例
http://docs-asia.electrocomponents.com/webdocs/08a9/0900766b808a97c8.pdf
http://www.sengoku.co.jp/mod/sgk_cart/detail.php?code=EEHD-0FD5




怪しい電圧電流計を買ってみた

アマゾンで格安出品されてるSODIAL(R)製のアレです。

実験用電源装置に常設する電圧/電流計が欲しかったので、購入しました。
3桁表示ということで、10.0Vを下回った際の表示が気になり、アマゾンで質問してみたところ、数人のレビュアーの方から回答をいただきました。ありがとうございました。



今回は Dandelion Seeds というショップです。
5/13発注、翌日チャイナポストで発送済み連絡があり、5/31受け取りでした。
予告納期の1日遅れですがほぼ納期通り。梱包は問題ありません。


残念だったのは、私が入手したものは形が似ているだけの別物だったようで、配線や電圧計の仕様が写真のものとは異なり、とても使いづらいものでした。
なので、私のレビューはあくまでも参考程度にしてもらったほうがいいです。


例によって中国ベンダ。いつものように製品説明ではさっぱり仕様が解りません。
外形寸法図くらい言葉が解らなくても出せるでしょうに、それすらないというのはもうね。(´-ω-` )
学生時代に、「図と式は世界共通言語である」と習いましたが、どうもそういった認識は無いようです。
しかたがないのでスケッチしました。
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ハーネスを取り付けようとして、思わず「惜しい」と唸ってしまったのがここ。

電流測定用のハーネスのコネクタで、抜け止めがシャント抵抗に干渉してすんなり取り付けできません。
無理やり押し込んでなんとか付く程度で、あとコンマ数ミリずらすか抵抗を曲げておけば良かったのにね。

横から見るとこんなかんじ。
外形図にも書いていますが、案外奥行きが必要です。


電流と電圧それぞれ、調整用のトリマがありました。


電流回路の補強にハンダの山盛りがしてありました。
こいつぁ事故の元です。
定格は10Aだそうですが、本気でそんな電流流すと、シャント抵抗の熱でハンダが溶けそうです。
位置関係が上下であることもあって、もしハンダが溶けると短絡事故を起こすでしょう。
ハーネスやコネクタだってそんな電流流せるほど太くありませんから、そんな電流流す前提じゃないのでしょうけど。


電圧は赤、電流は青で表示されます。
視認性は良いですね。


レビューで教えていただいた結線は次のようなものですが、ハーネスの仕様が製品写真と大きく異なります。
基板のシルクや回路から結線を読みました。

教えてもらったもの
 太赤:電圧測定のプラス
 太黄:電流測定のプラス
 太黒:電圧・電流測定の共通コモン(マイナス)

 細赤:計器電源のプラス
 細黒:計器電源のマイナス



実際に来たもの
 太赤:電流測定のプラス
 太黒:電圧・電流測定の共通コモン(マイナス)

 細赤:計器電源のプラス
 細黒:計器電源のマイナス(太黒とは導通有り)
 細黄:電圧測定のプラス

図にするとこんなかんじです。
電圧測定用の配線が細くなったのは別にかまいませんが、メータ電源用のハーネスと測定用のハーネスが混ざってるのは取り回しがめんどくさい。(´・ω・`)
メーター電源のアースと測定部のアースが繋がってしまっているので、電流計は負荷のマイナス側に入れるしか無いんじゃないかと思うんですが、電流計のシャント抵抗が意外と大きいのでグランドのレベルが上ってしまいます。
うーん、電流計の利用は厳しそう。
切替回路を外に設けて、電流測定時だけメーターを通るようにしたほうがいいかも。

また、結線のパターン変更は一つ間違えば事故に繋がります。
こういった非常に重要な事を簡単に変えちゃうところがいかにも中国製っぽいといえばそうなんですが。

※2017.07.12追記
計器電源用の黒線を外部で接続すると、2点アースとなって指示値に誤差を生じてしまう場合があるようです。
なので、メータ電源を別途用意する場合と負荷と兼用する場合のいずれにおいてもこの線を接続してはいけません。



結論:DODIAL製だとそこそこ使えそうな印象を受けますが、こいつぁダメです。(´・ω・`) 販売元を選びましょう。
秋月電子など国内販売をしているところで買うのが確実でしょう。

怪しいリレーモジュールを買ってみた

アマゾンで格安出品されてる SODIAL(R)製 のアレです。



アマゾンのリレー・継電器カテゴリでベストセラー1位、レビューも概ね高評価なのですが、書かれたレビュー情報がさまざまで、実態がよくわかりません。
そこで、1式だけサンプル購入してみました。だって、リレー単品より安いんだもん。
c接点リレー×2個をフォトカプラでアイソレートしたものらしいので、もし本当に使えるものならArduinoやPICの出力で駆動できる物の幅がかなり広がります。

発注後ショップによって納期はまちまちですが、今回発注したショップは5/13発注、注文翌日にチャイナポストで発送済みの連絡、5/31に到着し、ほぼ宣言納期通りとなりました。

開封時の第一印象は、「なんか汚ぇヨ。」(´-ω-。` )
仕上げの洗浄が十分でないのか、全体的に白く汚れています。
取り付け穴はφ2.7なので、M3で取り付ける前にキリでさっと突いておきましょう。直径で0.5mm拡張してもパターンには干渉しません。
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外形寸法です。
インチ系で丸めてみました。
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また、一部のハンダが芋ハンダになっていたので、ハンダづけをやり直しました。
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シルク印刷が仕若干様変更された模様です。
OUT側端子台の意味が解りやすくなりましたね。
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データシートによると、リレーの定格としては次のようなものです。
形:SRD-05VDC-SL-C、(R)SONGLE RELAY
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接点容量として、抵抗負荷なら10A、誘導負荷でも3Aまでいけるようです。ただし、プリント基板のパターン幅が1.5mm程度なので、リレーのカタログ値がハッタリである可能性も考慮すると 1.5A程度に抑えておいたほうがよいでしょう。

取説はもちろん(藁)のこと、回路図なんてものはありませんので、基板をスケッチしてみました。
製品として販売されているものに対してこれはNGなのですが、メーカーからの情報がいっさい無い以上、自衛のためやむを得ません。また、値段からしてわざわざ海賊版を作る必要も無いでしょうから、購入者の利益を優先して公開します。
(簡単な回路なので、図面化するほどのもんでもありませんが。)
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とりあえず回路上は問題が見当たりません。
VCC-JDVCCジャンパ状態なら、VCCに+5V、GNDに0Vを接続したうえで、IN*-GND間を短絡すればコイルは動作するはずですし、実際に動作しました。
とあるレビューではリレーは負論理で動作とのことですが、そも、c接点で負論理ってどういうことでしょ?
リレーのc接点という構成が理解できないまま、b接のところしか見てなかったか、VCCとIN*にそれぞれ5V印加して動かないと思い込んだのか?
ジャンパが初期状態だとIN*の電圧レベルLoでコイル駆動だから負論理ってことを言いたかったのかな?
シンク型の出力ユニットやトランジスタアレイに繋いで、出力ONするとコイル動作しますので、あまり難しく考える必要は無いと思うのですけど。

VCC-JDVCCをオープンにして、、IN*-GND間を短絡したうえで、VCCに3.3~5V印加すればHiでコイルがオンします。(この場合、2つのリレーが同時にONします)
もしくは、リレーユニットの前段にNPNのトランジスタを入れれば、VCC-JDVCCジャンパ状態でもソース型出力デバイスHiで個別にON出来ます。

こういうのって一種の風評被害なのでは?(-_-;)

VCCとJDVCCという形で、フォトカプラの入力用とリレーのコイル用電源を分けてある理由について。
このフォトカプラはPC817互換品とのことで、PC817のデータシートによりますと、入力が1.2V以上あれば動作します。
ですが、リレーのコイルの動作電圧が5Vなので、マイコンが3.3Vなどで動いている場合、リレーの駆動電源は別に用意する必要があるので、電源ラインを2系統に分けてあるほうがなにかと都合が良いのでしょう。
(3.3Vだけで動いたとしてもそれはただのマグレですから人に勧めないように)
また、IN*-GND短絡以外にも、VCC-IN*に電圧印加という使い方でソース型出力ユニットにも対応出来ます。
GNDは共通なのでスイッチングトランジスタだけでも似たようなことは出来ますが、ドライブするトランジスタ内部でショートしてしまった場合、マイコン側の出力デバイス(=マイコンの電源回路)に対して、まともに逆電圧がかかることになるので、安全面においてはフォトカプラのほうが良いでしょう。

消費電力について電流値を実測したところ、5V電源、VCC-JDVCCジャンパ状態でリレー1個動作時それぞれ69.5mAで、リレーOFF時の待機電流はテスターの測定限界である0.00mA以下でした。

耐久性については判りませんが、機能的には問題なく、結構使えると思いますよ。



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