かずいの雑記帳4

趣味でいろいろ実験やってます。 2021年6月21日よりhttpsの利用が可能になりました。 当ブログも設定を変更しましたので、画面の乱れ等ありましたら教えて下さい。

2015年11月

ナショナル ミニグラインダーSKG-7を買ってみた(ついでに修理)

11月11日。
中国では独身の日。日本ではいい買い物の日だそうですね。
私も煽りに乗って買い物してみました。

ミニグラインダー、SKG-7、ナショナル 定価1万円前後?(当時)


昭和40年代に販売されていたモデルだそうで、その後もマイナーチェンジを繰り返しながら販売されていました。
パナソニックとなった現在は製品ラインナップからミニグラインダーのカテゴリが外れており、完全に生産中止になりました。(違ってたらごめんなさい)

そうすると、消耗品の供給が不安ですが、安心して下さい。売ってます。
現在でも、ミシンを取り扱っている商社さんが取り扱っておられまして、通信販売で容易に入手できます。
下記にアフィリンクを貼っときましたので、もし良かったら踏んで下さい。(≧∇≦)/

さて、例によってオークションで落札。

古いものですので流石に使用感がありましたが、問題なのは運転すると音がやたらと大きい。
サイレンのような音がして、猫が驚いて玄関先まで逃げていってしまいました。(≧∇≦)
ぱっと見でなんとなく歪んでいますし、手で回すと変な抵抗があり、おそらく、変な衝撃を与えたことにより、軸の芯がずれ、軸受けのボールベアリングが逝ってると思われます。
これで惜しみなくオーバーホールする口実が得られたというものです。( ̄ー ̄)ニヤリ

着々と分解が進み、部品単位でラスペネを付けて丹念に磨きます。
ここまで10分少々。
この段階で、手応を感じました。いけそうです。
ちな、バフ側の止めナットは逆ネジですのでご注意下さい。


問題のベアリング。
NTN製の608ZZでした。
左のバフ側の痛みが激しかったです。
購入手配は後回しにして、とりあえずメンテルーブを注入し、軽く動くまでくりくり回して清掃しておきます。
(まず回転子のブレを見たかったので)


回転子の電極を#600のサンドペーパーで軽く磨いておきます。
焼けも偏摩耗も無く、良好です。


ブラシはまだまだ使えそうです。ラッキーでした。


まだましな方のベアリングをバフ側に回し、芯出ししながらネジ類を丁寧に締めていきます。
バフ側はブラシがあるので、アライメントがシビアなのです。
また、一気に締めると、歪が発生し、芯ずれの原因になりますので、時々空転させながら、丁寧に。

完成。
外回りも油を付けた布でピカピカに磨きこんでおきました。(性能には影響ありませんが、趣味なので見た目は大事)
試運転してみると、以前よりかなり静かになりまして、猫が怖がらなくなりました。(←結構大事)
ただ、時折ベアリングからシャリシャリ音が聞こえてきますので、近いうちに交換する必要があると思います。
齢40歳?50歳?まだまだ現役で使えます。


落札価格は¥2,500でした。(カードのポイントがあったので、実質無料でしたけど。(´∀`))








608ZZ

エンドスリーブ圧着工具いろいろ

いろいろというほど多種の比較は出来てないけど、エンドスリーブ圧着工具を比較してみました。

エンドスリーブとは
エンドスリーブ、絶縁スリーブ付き棒端子、フェルール圧着端子、筒型棒端子,テレクリンプとも呼ばれています。
これが必要なのは、よく輸入物の設備や電車などの移動媒体の端子台に採用されているのですが、被覆を剥きっぱなしの電線を差し込んで使うタイプの端子台で、一度差し込むとバネの力で保持されるというものです。所謂スプリングクランプ端子台ですね。
国産設備でも最近はその小ささゆえ、スプリングクランプ端子台が採用されている例が増えてきました。
この種の端子台では配線を撚るだけでは十分な強度と接触が得られない為、通常は配線の被覆をむいた後でハンダをからげる作業が必要となりますが、工程が複雑で作業効率が悪く、また、ハンダの仕上げによっては形状がいびつになることもあり、それゆえ接触にも不安が残るものでした。
そのにエンドスリーブ圧着端子を使用することで、結束部の強度が増し、確実に接触させることができます。
また、ハンダ付けのスキルを必要とせず、圧着端子の施工要領がそのまま通用するので作業効率の改善が期待できるというものです。
国産のエンドスリーブ圧着端子として代表的なものにはニチフのTEシリーズがあります。(ニチフではテレクリンプ圧着端子と呼ばれています。)
エンドスリーブを使用するには、専用の圧着工具が必要になりますが、工具メーカーにより圧着に差があるかどうか気になったので実験してみました。
ちなみにWAGOは職場で使用しているもの、他の2つはお小遣いで購入したものです。

エントリーNo.1 
スプリングクランプとエンドスリーブ圧着端子の発起人とも言えるドイツのオートメーション機器メーカーWAGO。
そのWAGOが自信を持ってプロデュースする自動調整式圧着工具です。


エントリーNo.2 KNIPEX 9753-08
握り物といえばKUNIPEX(独)。
流石に圧着工具のバリエーションは素晴らしく、台形に圧着する単純なペンチ型から四角六角の自動クリアランス調整型までよりどりです。
その中でも既設制御盤を改造する際に有利な形状ということで、端子を工具の前から挟むフロントローディング型をチョイス。



エントリーNo.3 Merlintools Adjusting Ratcheting Ferrule Crimper AWG23-10 HSC8 6-4
これってあの切削工具のMerlintools(英)なのかな?よくわかりません。アマゾンではSignstekという代理店が扱っているようです。
コスパ重視のMade in Chaina?これもパッケージを含めて何にも書いてません。
なにかと謎だらけの工具ではありますが、侮るなかれ。海外の工具販売サイトでは比較的高評価。
なんといっても価格が前2社の1/10以下!
使えればもうけモンの一品です。
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同じような価格帯でIWSSという中国企業製のものもあります。
見た目がKNIPEXのコンフォートハンドルにそっくりで、 あまりにもパチもん臭く 今回は購入を見送りましたが、いずれ試してみたいですね。


WAGO vs KNIPEX

左がWAGO、右がKNIPEXです。
何?このガッカリ感は?(´・ω・`)
KUNIPEXは圧着のダイスが千鳥で配置されているので、圧着後の形状がガッタガタ。
端子台にクリンプすると点あたり必至。
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芯線がスリーブの設定より細くなるとこの傾向がさらに強くなり、AWGにマッチしてない国産の電線を使うには正直無理があるように思います。
WAGOのほうはなんとか形状を保っているのに、KNIPEXときたら、、、とてもじゃないが使える状態ではない。
3万円もしたのに~。・゚・(ノД`)・゚・。
仕上がりは言うまでも無く、WAGOの圧勝です。
でもこれはKNIPEXが悪いとかではなくて、フロントローディング式圧着機の宿命ではないでしょうか。(と、KNIPEXファンの僕が言ってみる)
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WAGO vs Merlintools
カシメの強さを調整しつつ試行錯誤し、ベストと思われる位置で圧着したものをWAGO 206-204で圧着したものと比較してみました。
材料には、AWG18の配線にニチフTE1.0-8を使用しました。

1枚目3枚目共、左がMerlintoolsです。WAGOと比較すると丸いスリーブが十分潰れきっておらず、仕上げ表面が丸みを帯びていることがわかります。また、断面が四角くなっていないことがわかります。
2枚め手前がMerlintoolsです。WAGOよりもカシメであたっている部分が狭く、それゆえ仕上げ表面の凹凸が大きいことがわかります。

一応、カシメはできているようなので、スッポ抜けたりはしないと思いますが、仕上げが丸みを残したままになっているということは接触が点あたりになります。
従って、スプリングクランプ端子の場合はあまり問題にはならないと思われますが、旧来のマイナスドライバで締めるタイプの端子台の場合、スリーブが潰れきるまで締め付けることになり、延々と増し締めすることになりそうです。
端子台での接触不良になる可能性があることを考えると、仕事に使えるかどうかは微妙ですが、価格はWAGOの1/10以下なので、慎重に使うという前提であれば魅力はあります。

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プリント基板の洗浄について

当ブログでも何度か取り上げたことがあるが、うちではプリント基板の洗浄にフラックスクリーナーを使っている。
スプレー式で使い勝手が良く、汚れ落ちもいいので重宝している。
ただ、新規制作時の仕上げや修理の際の少量ならともかく、古い基盤を洗浄する場合などにはその使用量が馬鹿にならない。

そう、お小遣いで買うには少々お高い。

そこで、代替品として無水エタノールやイソプロピルアルコール(IPA)を使用する。

ところが、電子部品の洗浄にアルコール類が良くないとの風評があることを知った。

「基盤洗浄 エタノール」でググった結果がこちら

一般に、エタノールやIPAは銅や銅合金への腐食性が無く、また、合成樹脂への攻撃性が低いので、プリント基盤の洗浄には適しているはずだ。
銅に対して腐食性が無いことはこちらの資料でも確認出来る。

なのに、何故このような風評が生まれたのだろう?

考えてみた。

仮説1.空気中の水分を呼んでしまうことによる腐食
アルコールは油分と水分、両方に結びつきやすい。
この性質を利用して洗浄を行うわけだが、揮発性が高いので、目に見えるようなところに付着したアルコールはすぐに乾燥する。
ところが、コネクタやスルーホール、電線の被覆内部などの隙間に入ったアルコールはすぐには蒸発することが出来ない。
残留したアルコールは、先の性質から空気中の水分を呼びやすい状態にある。
また、気化熱で基盤の温度が下がり、基板表面に空気中の水分が結露することがよくある。(←経験済み)
結果的に、油分が洗い流された後の金属表面に水分が残留することになり、それが金属の腐食の原因となる。

仮説2.酸化による性質の変化
(高校程度の知識で恐縮ですが)エタノールが空気中の酸素で酸化するとアセトアルデヒドから酢酸に変化する。
この課程で水が発生し、酢酸は銅やはんだを腐食する。
2C2H5OH+O2→2CH3CHO+2H2O
2CH3CHO+O2→2CH3COOH

一方、IPAは酸化するとアセトンになる。
アセトンはアクリル樹脂の接着剤としても用いられる有機溶剤の一種で、ゴムやプラスチックへの攻撃性がある。
また、反応により水が発生する。
2C3H8O+O2→C3H6O+2H2O

ちなみに、自作電子機器の防水に安いからといって建築用のシリコーンコーキング剤を使用する人がいますが、あれは固まる時に酢酸やアセトンが発生しますので、使うと部品が腐食する場合があります。
電子部品のモールドには脱オキシムの製品を使用しましょう。

仮説3.アルコールが部品に侵入して壊れる
アルコールのほうが水よりも浸透能力が高いので、部品のシールを抜けてしまうことがあるそうだ。
(昔、防水仕様の携帯電話を酔った勢いでビールに漬けて壊した人が多発したとかしないとか。自慢もたいがいに。)
で、部品内部に侵入したアルコールは残留し酸化。あるいはシールの油分を洗い落としてしまい、気密性が低下。
シールが抜けた電解コンデンサは一気に寿命が短くなる。

仮説4.火災
着火温度が低く、引火しやすい。
アルコール分の残留を防ぐため、予め水で洗浄した部品を加温し、なおかつアルコールを沸騰させた蒸気で水分を置換する方法がある。
比較的簡単に出来て部品に与えるダメージも少ないので、昔からよく利用されてきた方法ではあるが、気化したアルコールはわずかな電気火花で引火するので、燃えちまったら故障もへったくれもない。

仮説5.燃料用アルコールを無水エタノールと勘違いして使っている
素人がやってしまうトラブルの大半はこれかもしれない。
燃料用アルコールは値段が安いし、入手しやすく水分含有量もほぼゼロなのだけれど、大半の製品はメタノールとエタノールの混合物。
メタノールには樹脂への攻撃性があり、基盤に使っている樹脂を溶かしてしまう場合がある。
ゴムを劣化させたりもするので、電解コンデンサのシールにも悪い影響が出る可能性が高い。
基盤に使っているエポキシやベークライトなんかは大丈夫っぽいが、基板表面のコーティングが溶けて白化し、ダメになってしまうことがある。(←経験済み)
使う前に製品本体の成分表示を確認しましょう。(´・ω・`)

仮説6.消毒用アルコールを無水アルコールと勘違いして使っている
消毒用アルコールには水と消毒薬を添加しています。
こちらも使う前に製品本体の成分表示を確認しましょう。(´・ω・`)

※まとめ
以上の点に留意し、洗浄の際には火気厳禁、過度な圧力・応力をかけないようにして、使用後は高温を避け通気の良い雰囲気できっちり乾燥させれば問題ないと思います。(当然、直射日光は避けましょう。)
ただし、プラスチックケースごとドブ漬けするような使い方をすると、ゴムやプラスチック表面の油脂までいっしょに落としてしまい、ツヤがなくなったり、寿命が縮むことがあるかもしれません。

※参考文献
一般社団法人日本銅センター
http://www.jcda.or.jp/index.html

同上Q&A
http://www.jcda.or.jp/qa/qa4.html

1.銅及び銅合金の耐薬品性に関する資料PDF (5.77MB)
   -伸銅品データブック (一般社団法人日本伸銅協会 編集)-
http://www.doukan.org/gijutsushiryou/taiyakuhinsei.pdf



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