かずいの雑記帳4

趣味でいろいろ実験やってます。 2021年6月21日よりhttpsの利用が可能になりました。 当ブログも設定を変更しましたので、画面の乱れ等ありましたら教えて下さい。

2009年05月

ジャンクのエンジン(その9:ポート研磨?とバルブシート摺り合わせ)

サンエスK-1に小一時間ほどどぶ漬けしても落ちなかったカーボンを落としたいのだけれど、正直、手作業では時間がかかるばかりなのでやりたくない。
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よって、文明の利器に頼ることにした。
電動リューター、コミコミで約5000円
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ちなみに、リューター付属の先端類はほぼ全滅で、使えるものが無かった。
おまけにフレキシブルシャフトには使用前に十分給脂しておいたにもかかわらず、途中からものすごい音と振動が。。
あと数回の使用に耐えられるかどうか。。悲しい
それでも、せっかくタングステンカーバーイトのヤスリを買ったので、ついでにバルブシート加工時にできたと思われる段差を削っておいた。笑顔
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ポートが綺麗になったので、バルブの摺り合わせをやっておく。
目視で座面の凹凸が無くなるまでバルブコンパウンドの中を使って削った後、細目を使って摺り合わせをやっていく。
このバルブコンパウンドは多分、あと100年くらい使えると思う。(つか、大杉)
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目視チェックには8倍のルーペを使った。
タコ棒を持って、コンコンシャコシャコとひたすら拝み倒す根気のいる作業だ。
2気筒で良かった。
アタリが着いてくると、次第にバルブの回転が重くなる。
最後はタコ棒がスリップするところまでやった。
仕上げは9歳になる次男に手伝ってもらった。笑顔

光明丹でチェック。
綺麗に当たってると思う。
後で燃焼室容積を測定するつもりなので、バルブのシートリークはその際に判るだろう。
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※今回がんばってくれた工具達
電動リューター

タングステンカーバイドバーセット 5ピース φ3mm

バルブコンパウンド (#)120/240
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タコ棒 小



いや、チューンアップとかそういう大それたことじゃないんです すいません

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レギュレータ自作(続ツェナーダイオードの実験)

回路に流れる電流が少ないと、発熱が少なくなる反面、ノイズに敏感になるらしい。

するってぇと前回の実験に使った抵抗の組み合わせでは、電流(Ik)が少なすぎるんではなかろうか?
外来ノイズはもちろんだけれど、スパークプラグのノイズで誤動作するのでは困る。
また、電流が小さいとツェナーダイオードの発信の影響が大きくなるらしいので、それも気になる。
その後見つけた別の文献ではR1=270Ω、R2=100Ωでの制作例があったので、このあたりを基準にして再度実験を行ってみた。
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Ikについて、データシートによるとこのツェナーダイオードは5mAが基準になっているようだ。
そこで、R2を100Ωに固定して、この後段に付けるトランジスタをドライブするのに必要な電圧、Vout2に0.6Vが発生するVccとR1を探してみることにした。

で、実測。
しかし、途中からそよ風が吹いても値が変わるようになってしまい、やはり熱的に苦しいようなので、Vccは21Vで打ち切った。 ウインクヘタレです。
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これを見ると、Vccが16.4?16.5VあたりでVout2が0.6Vを超えている。
やはり公称15Vのツェナーダイオードでは電圧が高すぎるようだ。
ダイーオードが持っているツエナー電圧に、R2の電圧降下分が底上げされるのだから、当然か。
12Vくらいのツェナーダイオードを用意しなくちゃだめだなぁ。
Vout2のグラフはVout1が14.1Vを超えたあたりから立ち上がっているが、これはR1やR2を変更しても変わりない。
抵抗を変更すると、原点が同じでグラフの傾きが変わり、Vout2でトリガされるサイリスタの動作電圧が変わるので、結果的にVccが変化する。

ついでだけど、抵抗R1の代わりに10mAのCRDを付けてやってみた。
CRDの特性が良く表れていて面白い。
過電圧が予想されるのなら、こういうのもアリでしょね。
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※謝辞
今回の記事を作成するにあたり、参考にさせていただきました。
ありがとうございました。

Right Stuff Wrong Stuff


ちょっと前進

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レギュレータ自作(ツェナーダイオードの実験)

GPXのレギュレータはものすごく熱くなる。

このレギュレータはシャントレギュレータ方式なので、余剰電力はサイリスタを通してオルタネータのコイルに戻されている。
この際の短絡電流はサイリスタを流れるので、サイリスタの損失がこの発熱の主な原因だと思っていたのだが、短絡電流がほとんど流れていないはずのアイドリング中でも相当に熱くなる。
ってか素手で持てないほどなので、もしかしたらレクチファイヤも発熱してるのかもしれない。
いずれにしても効率が相当悪そうだ。
貴重なパワーをレギュレータを暖めるためだけに使うなんて!ということで、もう少し効率の良いものを作りたくなった。

とはいえ、一から設計するのは大変なので、どこかに参考資料はないかと探してみると、ありました。

KATS & DJEBS、電装系、7.レギュレータ自作
たいへん貴重な経験を公開していただき、ありがとうございました。すいません
三相交流のシャントレギュレータで、まさにドンピシャでした。

カワサキのサービスマニュアルによると、GPXのオルタネータの出力は17A-14V/10,000rpm(ホンマかいな?)だそうなのでこれを基準にして部品選定する。

レクチファイヤには損失(=発熱)の少ないショットキバリアダイオードを使用する予定。
反面、これは逆電圧に弱いので、シャント電圧の制御が常に正常に働いているということが前提になる。(サージとかの問題はとりあえずさておく)

なので、まず電圧制御の要となる、ツェナーダイオードの実験をやってみた。

恥ずかしながら僕は勉強不足で係数の選定が出来ないので、次のような回路を作り、実測でだいたいの傾向をつかむことにした。
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各々の働きはこうだ。

R1は電流制限してDの保護をするのが目的。
HZ15-1-Eの許容損失は500mWなので、とりあえず1kΩくらいでやってみる。

Vccの電圧が一定レベルを超えると、Dに電流が流れはじめる。
データーシートによると、HZ15-1-Eの場合は14.1~14.7V(@5mA)とのこと。
これは定電圧ダイオードの機能そのまんまだね。
 
Dに電流が流れると、R2の両端に電圧Vout2が発生する。
これをサイリスタのスイッチングに使うわけだ。

よって、R1,R2の選定は結構重要になりそうな気がする。
Vout2にサイリスタのトリガに必要十分な電圧が発生すればいいが、ツェナーダイオードの電流だけでサイリスタをドライブするのは苦しいので、結局はトランジスタとかで電流増幅してやらねばならない。

こちらの参考文献によると、ツェナーダイオードが電圧制御しているときは、ものすごい早さでスイッチングしているのと同じ事なので、これがノイズの発生源となるそうだ。
無駄にLやCの成分があるとノイズが大きくなってしまうので、回路はできるだけコンパクトに組むのが望ましいそうだ。
状況によってはパスコンを入れ、ノイズの除去をしなければならないとのこと。
そのうち電圧波形を見てみよう。

Vccを徐々に昇圧し、Vout1とVout2の値を読む。
Vout1とVout2の差がDのツェナー電圧だ。
結果は次のようになった。
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一応、R2の値を変えて再度測定する。
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ツェナー電圧を超えたところでVout2が立ち始めるさまがよく分かる。

ところで、参考にさせていただいた回路では、R1は17.8kΩ(!)さらにツェナーダイオードに対して2.2kΩのブリード抵抗が付けてある。
こちらがその等価回路。
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なぜにR1とR3で分圧しているのかが判らない。
ちなみにこの条件でテストしてみると、Vout2がテスターで読めない。困った
それもそのはずで、R3のおかげでVccが分圧され、Vout1がVcc*2.2/(17.6+2.2)になっている。
これでは、Dのツェナー電圧より遙かに低い電圧しかかからない。
もしかしたら、参考回路で電圧制御が出来てるのは、サージのようなノイズがツェナー電圧を超えていたか、実はツェナーダイオードの定格電圧が一桁間違っていたとか、ツェナーダイオードそのものが壊れてたんじゃないだろうか?


※謝辞
今回の記事を作成するにあたり、参考にさせていただきました。
ありがとうございました。
KATS & DJEBS、電装系、7.レギュレータ自作
電子のおたすけMEMO、ツェナーダイオードの特性



はじめの第一歩

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ジャンクのエンジン(その8:バルブ詳細)

バルブとバルブシートを詳しく見てみよう。

バルブはカーボンの再付着を極力減らすために、鋳肌をならす程度に研磨した。
削りたくないところをマスキングして、ボール盤でチャックして回しつつ、#120→#240→#320→#600と徐々にサンドペーパーを細かくしてゆく。

これは最初の#120での磨きを終えたところ、円盤状に磨き傷が入っている。
この後、この傷が極力小さくなるようにがんばる。
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燃焼室側は、あんまりがんばりすぎて燃焼室の容積が変わってしまうと嫌なので、ほどほどにしておいた。
ヒートスポット云々が気になる人は真ん中のエクボのところも磨くべきだと思う。
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最後は#1200のペーパーで手磨きしてみた。
これくらいやっとけばタコ棒の吸盤の付きも良くなるので、後の作業がし易いだろう。
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この時点でバルブステムの直径と振れを確認した。
測定箇所はバルブステムの真ん中あたりと外観上一番摩耗していそうなところと2箇所で測定する。
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バルブステムの振れを測定している模様。
さすがにこの作業は定盤の上でやっている。カエル
手頃なVブロックが無いので、カッターナイフの刃をV型に固定して測定した。
この方法だとVブロックの面やステム自体の円筒度の影響を受けないので、より正確なんじゃないかと思ってる。
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で、全然ダイヤルゲージの針が動かないので、一瞬ゲージの故障かと思ったほど結果は良好だった。
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バルブステムの状態が良好のようなので、バルブシートのアタリを確認する。
バルブに薄く光明丹を付け、そっとバルブシートに押し当ててみる。
ちなみにこれは、光明丹を付けすぎてる。ウインク
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付けすぎた光明丹をバルブとシート面を交互に拭き取りながら適当な量になった時点で確認する。
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吸気ポート。
アタリ面自体が編摩耗したり、虫食い状態になっているようなことはないが、左シリンダの右側ポートの当たり幅が不均等だったのが少し気になる。
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排気ポート。
光明丹が厚く残っているところが凹んでいる。
どうだろね?
吸気ポートよりは浸食されているように見えるが、そこそこ距離を走ったエンジンならこんなもんじゃなかろうか。
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よく見ると異物をかみ込んだようなキズもある。
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バルブシートの寸法はこんなかんじ。
外径が。。。
けど、アタリ幅にあまり変化が無い状態で、外径だけ増えるなんてことがあるか?
測定ミスでありますように。
今回はノギスの内寸ジョーをパス代わりにして測定したけど、もっと簡単に正確に測定する方法はないものか?
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尚、バルブスプリングの自由長はだいたいこんなかんじ。
少々お疲れ気味のようだが、限界値にはまだまだ余裕がある。
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んじゃ、軽く摺り合わせをやってみようか

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ジャンクのエンジン(その7:カム詳細)

24時間近くにも及んだ磁気嵐がようやく治まってきたようだ。
それにしてもひどい嵐だった。今年に入って何度目だろう?マジメに引っ越しを始めたほうがいいんだろうか?ww

というようなことはさておき、カムをもう少し詳しく見てみよう。

まず、しっかり洗浄して埃やタールなどを落としておく。
解体中は油まみれでしかも屋外作業だし、注意しているつもりでもけっこう埃だらけになっている。
そのまま計測のためにいじり回すと、余計なな傷が付いてしまうので、一旦綺麗にしておかなくてはダメ。

左の鍋のサンエスK?1溶液で洗浄した後、水洗い。
右の鍋のお湯につけて仕上げ洗いした後、OA用のエアゾル缶でオイルラインの水分を飛ばしておけば自分の熱ですぐに乾燥する。
サンエスK?1の防錆剤おかげで、鉄もすぐには錆びない。
有機溶剤や圧縮空気を使わないので、ご家庭でも気軽に出来る部品洗浄だと思います。笑顔事前に嫁の許可が必要ですが。
(ちなみにブレーキキャリパなどにもこの方法が応用できる。)
ただ、計測は温度一定下でやらなければならないので、カムを十分気温にならさなくてはならない。
よって、計測作業は翌日以降の仕事になる。
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ロッカーアームの接触面に鋳物の「す」が入ってた。
カワサキだなぁ。 笑顔
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ものすごい鋳肌。
ちょっとした衝撃で表面がボロッっと落ちる。
カムジャーナルに傷をつけたのは、この鋳肌のせいじゃないか?
この軸が時には毎分7500回転もの速度で回るわけだから、その影響はけっして小さくは無いと思う。
徹底的に磨きたいところだけど、鋳鋼の黒皮は硬度が高く、剛性UPに寄与しているらしい。
削りすぎるとねじり振動や曲げに弱くなるので、表面をならす程度にしておいたほうがいいそうだ。
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マイクロメータでカムの軸受け部とカム高さを測定。
ちなみに25-50mmのマイクロメータは天下のミツトヨ製。
0-25のマイクロメータの誤差が大きい(0点を合わせると25mmで+7/1000くらいズレてる)ので、25-50のマイクロメータに付属の基準棒で25mmに合わせてから測定した。
新品で買って使用頻度少ないし、粗雑に扱った覚えもないんだけどなぁ。
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軸の振れを測定しているところ。
ホントは定盤の上でVブロックとかに乗せて測定するのだけれど、定盤なんか持ってないので、ちゃぶ台の上にヘッドを乗っけて測定してる。
なので、言うまでも無くこれは参考値。
贅沢にもマイクロメータを2個使って、軸受けの円筒度の誤差が振れに影響していないかどうかも確認している。
ダイヤルゲージはミツトヨとTECLOCK製、マグネットスタンドはKANETEC製。
そこまでやるのなら定盤用意しとけよというのはさておく ウインク
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計測中の様子。
これはカムのリフト量を測定している。
リフト量の差は思いの外小さい。
また、軸の振れは針が振れないほど小さい。
ちゃぶ台の剛性なんか無いに等しいが、これ見るとなんだか行けそうな気がする? 笑顔


この緑の乾麺みたいなのがプラスチゲージ。
こいつを使ってカム軸とジャーナルのクリアランスを測定する。
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こいつを適当な長さに切ってカム軸に乗せ、ジャーナルを規定のトルクで締め付ける。
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するとゲージが潰れる。
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で、これをゲージが入ってた袋に印刷されてるマークと合わせて幅を読むわけだ。
だいたい0.051?0.076mmの間に入ってた。
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各々の測定結果は以下のとおり。
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intake側の軸受けが若干痩せ気味であるような気がするが、前述のようにマイロメータの誤差もあるから今のところ何が真実なのかは判らない。
仮に測定値が5/1000mmプラスに振れると、全部が標準値に入ってしまう。
編摩耗が無いことと、軸のクリアランスの測定結果と合わせて考えると、まぁまぁの状態じゃなかろうか?
なによりカムのリフト量の差が1/100mm程度というのはなかなかの数値だと思う。(ちゃぶ台上だけど)
実際にはこれにロッカーアームからの反力や軸のねじり振動が加わるわけだが、ちょっと安心した。


※今回がんばってくれた工具
マイクロメータ、0-25mm
マイクロメータ、25-50mm
ダイヤルゲージ、0.01mm、ストローク10mm
マグネットスタンド
プラスチゲージ

※謝辞
ますたー?さま
いつもホームページを参考にさせていただいてます。
また、今回、図の一部を流用させていただきました。
ありがとうございました。




もしかして、これって当たり!?アタリなの?

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